イッチハンカイ徒然草

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本を読まないで書評してみる~マスカレードホテル/東野圭吾~

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

昨今若者の読書離れが著しいと叫ばれている



d.hatena.ne.jp


2012年は2000年と比べると、一人当たり年間2.5冊も多くの本を手に取っているようだ。また市場に出ていない本、つまり個人間での本の貸し借りがネットの恩恵で急激に増えているのでデータには出ていないが読まれている本はもっと増えているのだと僕は勝手に思っている



ただ本の話を友達同士でするということはほとんどない。飲み会での話は専ら大きく分けて3つ「今なにをやっているか」「バイトは何をしているのか」「最近の性癖はどんなものなのか」に類推されると考えられる。


私は日本のGDPを2倍にするには、この3つのタイプに「最近読んだ本の性癖は何ですか」「最近読んだ本は何ですか」という項目を一つ付け加えるだけでいいと思う。ただ、日本国民の多くは本をあまりにも真面目に読みすぎているのだと思う。もっとゲーム性、エンターテイメント性、下衆性を取り入れていく必要がある。




本屋をタムロしてるとキャッチ―なタイトルのブックをファインド、いえファウンドした

『罪と罰』を読まない | 岸本 佐知子, 三浦 しをん, 吉田 篤弘, 吉田 浩美 | 本 | Amazon.co.jp


罪と罰というドストエフスキーによる名作を読んでいない4人による読書会とのこと
(4人のうちの1人の三浦しをんは脛をかむというフリーターが家にひきこもり巧みに親の脛をしゃぶりつくす様を描いた本が売れて、私の敬愛する宮崎あおいが映画にも出演していた)



そうか、この手があった


ということで私も全く読んだことがない本である東野圭吾のマスカレードホテルを書評してみることにする

(ちなみに脛をかむという本を読みたい方はこちらで購入してください)
舟を編む | 三浦 しをん | 本 | Amazon.co.jp

ここから書評

2005年12/24にマスカレードホテルでクリスマスパーティーが行われた。そこには御曹司や令嬢の富裕層から、フリーターやニートそしてゴミ箱の缶を売って生計を立てているホームレスなどの貧困層までダイバーシティに富んだ人材が集められた


そして24日から25日へと日付を跨ぐ瞬間、MCであるミーアキャット田村が吐血をし倒れる。即死である



犯人は誰なのか、そして劇的なトリックとは



随所に散りばめられた伏線が脳髄を刺激して止まない。個人的に気に入ったシーンはこちらである


ファイヤー村上:私が犯人なんだ・・・理由は
エジソン三井:いやいや僕が犯人だよ、どうしてかというと・・・
ファイヤー村上:はぁ?私ですよ犯人は!
エジソン三井:僕は証拠品だって持ってるんですよ!ほらほらぁ!
バジヅルン伊藤:それは・・・私が用意したものなんですよ!はっはっはっ

ここまで巧緻でスペクタクルな掛け合いを見たことはなかった。一体東野圭吾とはどんな人なのだろう。才能に満ち溢れている。



タイトルであるマスカレードホテルの”マスカレード”はマス・カレーつまり大量のカレーということから端を発しているのだが、それに”ド”が付く理由は本作では記されていない。次回作に期待。もちろん、マスカレードホテルの夕食のバイキングのカレーはターメリックライスである。ネタバレかもしれないが、そこまでトリックには大きく関係しない。


残念な点を一つ挙げるのだとすると、本作で登場するフリーター探偵があまりにも頭が良すぎて現実感がないということだろう。ホームレスの村上武も行動力があることから証拠品を類まれな嗅覚で発見してしまい、フリーター探偵を助長させてしまう。トリックの謎解きも読者が参加する暇もなく瞬間で終わってしまうというのが腑に落ちないのだが・・・




実際のあらすじを確認してみる

wikipediaから引用

東京都内で3件の予告殺人事件が起きた。事件現場に残された不可解な暗号から、3つの事件は連続殺人事件として捜査される。警視庁の捜査本部は、数列の暗号が次の犯行現場を予告するものであると解読し、第4の殺人は高級ホテル「ホテル・コルテシア東京」で起こると推測する。
数名の捜査員が、第4の事件を未然に防ぐ為フロントスタッフやベルボーイに扮してホテルに配置され、不慣れなホテルマンとしてのホテル業務に悪戦苦闘しつつ、不審な宿泊客を監視する事を強いられる。捜査一課の刑事・新田浩介は、英語ができる帰国子女であることから、同ホテルのフロントスタッフに扮することになり、新田の補佐・教育係には、優秀なフロントクラークの山岸尚美が任命された。
立場も職業倫理も異なることから、潜入捜査が始まった段階では衝突の多い2人だったが、共にホテルマンとして、時には捜査員としての目線を互いに共有しながら、日常起こるホテル内での悲喜交々の出来事に対峙していくうち、二人の間には信頼と共闘意識が生まれる。そして、捜査本部がこれまでにない厳戒体制を敷いた、ある特別な1日が始まった。
新田浩介の、捜査員としてだけではなく一人の人間としての成長と、山岸尚美の頑なにも見える態度から新田を理解しようと変化していく様も物語に花を添える。

なるほど・・・











事件を解決しようとするのが二人組というのは当たらずとも遠からず!!!