海猫沢めろんという小説家が、最新科学の第一人者を取材してまとめたものです。今、関心度が高いワードが揃っています。
SR、3Dプリンタ、アンドロイド、AI、ヒューマンビッグデータ、BMI、幸福学という目次構成です。
一貫したテーマとして、「人と機械は何が違うのか、人を人らしめているモノは何なのか」「心とは何か、そもそも心は存在するのか」「科学技術により、人はどう進化していくか」などが挙げられています。
個人的に気になった点を少々挙げてみたいと思います。
3Dプリンタの普及に努めている慶應大学環境情報学部の田中浩也さんは、自然とつながりたいと言っています。どういうことでしょうか?
田中浩也
だんだん、3Dプリンタを使って似たような3Dプリンタをつくるのではなく、もっと別の機械を作っていくことになってきます。そのひとつが「4Dプリンタ」です
後から形や製紙が変わったり自律的に組みあがったりするようなモノを出力する新種のプリンタです。
人工的につくったものをどこまで生物に近づけられるのかという別のアプローチになりますね
(中略)
3Dプリンタの前にやっていた研究が、動植物が参加するインターネットというものでした。植物に電極をつけておいて、ある反応がきたらツイートをするような仕組み。水をくれ、とか
(中略)
その研究をしていたのは2005年あたりなんですが、当時はちょうどソーシャルネットワークが出てきたころでした。みんなネットを通じて人間とコミュニケーションするようになり、「つながる」ことへの関心が高まった時代だったんです。でも僕は、人とだけつながりたくなんてなかった。それは悪夢だと。もっと植物とか山とか海とか、そういうものとつながりたかった。
モノに命が宿る思想、アニミズムを日本人は持っています。例えば、トイレの神様とかです。この考え方は日本人にとっては特に不思議ではないので、本当に実現したらおもしろそうですね!
また、ロボット研究の第一人者である石黒浩がつくった「テレノイドⓇ」を通じて、高齢者や精神障碍者が会話療法を行っていると、銀行口座や暗証番号を話してしまうという事例も挙げられます。
ロボットだと何でも話してしまうんですかね・・・
そして、石黒浩はこうも言います。
昨日やったことを全部黒板に書け、そのうち人間にしかできないものに○つけろ。といったらほとんど○がつかない。お前だってゴキブリだろ、と証明できる
昨日やったことと言うと、学校いって、映画見て、ブログ書いて、フットサルして・・・ゴキブリでも出来るか
日立製作所研究開発グループの技師長である矢野和男さんは、運を科学しているそうです
昔の人はに「運」について真面目に考えていたんです。渋沢栄一や幸田露伴も著作の中で「運」について論じています。
(中略)
単純に人と会って話す人数が多ければ、「運」と出会う確率も増えるわけです。自分では解決できない問題と出会った時に、誰か他にそれを解決できる人がいれば、なんとかなるということです
(中略)
その人がどんな人か、そしてその人とどういう関係か、というのも重要です
色々な人と密な繋がりを作っていくことが大事なのかもしれませんね。
全体的に聞いたことない新鮮な話で面白かったです。他にもAIやSR(代替現実)の話もあるので、ぜひご一読を
おしまい